ある日、朝起きると枕に抜け毛がいっぱいついていたり、櫛で髪をとかしている時に多く毛が抜けたりすると心配になりますよね。
しかし、それが薄毛に繋がるというものでもありません。
安心してください。
季節の変わり目であったり、体調によって抜け毛になっている可能性もあります。
また、ヘアサイクルでちょうど毛が抜ける時期に差し掛かり、多く抜けた可能性もあります。
抜け毛が増えたからと言って薄毛だと心配しなくても大丈夫ですよ!
今回は髪が生え替わる「ヘアサイクル」と、なぜ髪は抜けるのかという理由をまとめました。
目次
髪の「ヘアサイクル」と抜け毛の原因
髪のヘアサイクルは人それぞれです。
また、人種によって頭髪の平均本数も違います。
私たち黄色人種で約8-12万本。
白色人種で10-15万本。
黒色人種で8-10万本と言われています。
そして、体毛の数は生まれてから青年になってからもその総数は変わりません。
思春期に急にひげやわき毛が生えてきても、もともと生えていたうぶ毛の色が濃くなっただけなんです。
体毛の数は生まれてからほぼ一生変わらないんです。
では、なぜ突然薄毛になっていくのか、ヘアサイクルと抜け毛について説明します。
毛周期「ヘアサイクル」のメカニズム
髪にはヘアサイクルという成長のサイクルがあります。
頭皮にある毛の毛根の部分には再生の元となる「幹細胞」があります。
さらに、その毛球部には細胞分裂を繰り返す毛母細胞と毛母細胞に髪の成長に欠かせない成長因子のシグナルを送る毛乳頭があります。
これらの相互の働きによって毛が伸びていきます。
しかし毛が伸びてその毛がどんなに丈夫な毛髪であっても一生伸び続けることはありません。
毛にはヘアサイクルと呼ばれる4つの時期があります。
毛の「ヘアサイクル」
毛髪には以下のように周期があります。
- 成長期
約1,000日間(3-7年。女性の方が男性よりも期間が長い) - 後退期
約2-3週間 - 休止期
約3-4か月 - 替毛期
数週間~数か月
上記のように毛髪は一定期間の成長期を過ぎると後退期に入り、成長が止まり、毛が抜け落ち再び成長を始めるというサイクルを繰り返します。
通常、毛髪の約90%は成長期と後退期の状態にあります。
残りの10%は休止期と変毛期となっています。
日本人の平均的な毛髪の総数が約10万本と言われています。
毎日約100本(70-150本)程度、毛が抜け替わっていることになるんです。
なのでこの程度の抜け毛ならだれにでも見られる整理現象なので問題ないんです。
なぜ、髪が抜けて薄毛になるのか
上記のように毛髪のヘアサイクルがありますが、男性型脱毛が始まると成長期の長さが短縮され、成長期の割合が減少し、休止期の毛が多くなります。
こうなってしまうと細くて短い毛の状態で成長が始まり、次の毛が生えるまで期間が空いてしまいます。
太い毛の数がへり、細くて短い毛が増えると頭皮を隠す太い毛髪が足りないので地肌が透けて薄毛の状態になってしまいます。
再生できるはずの髪がなぜ少なくなってしまうのか?
多くの男性が抱える薄毛の原因は「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれます。
AGAの主な原因は以下となります。
- 男性ホルモン
- 酵素
- 遺伝
- 年齢
ほとんどの方は思春期から壮年期以降に遺伝と男性ホルモンが原因で男性型脱毛が始まるようです。
男性は思春期以降、急激に男性ホルモンが増え、薄毛に大きな影響を与えます。
髪の根毛には「5αリダクターゼ」という酵素があり、血液中に流れてきた男性ホルモンの「テストステロン」がこの酵素の作用によって「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化します。
男性型脱毛症の原因、ジヒドロテストステロンは5αリダクターゼと結びつき悪玉男性ホルモンとなる!
「テストステロン」はもともと毛を太くする作用があります。
これ自体が薄毛の原因になることはないんですよ。
しかし、このテストステロンが5αリダクターゼと結びついて変化したDHT(ジヒドロテストステロン)はテストステロンよりもホルモン活性が10〜30倍も強いため毛を作り出す毛母細胞の働きを弱めてしまうんです。その結果、薄毛を引き起こしてしまうんです。
5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型の2種類があることが判明しています。
- 5αリダクターゼⅠ型
頭髪、髭、陰毛、脇毛などが生えている部分にまんべんなく存在している - 5αリダクターゼⅡ型
前頭部から頭頂部、髭のみに集中している
この2種類のうち頭髪も毛根を弱めて薄毛の原因となるDHTを作るのがⅡ型と言われています。
頭髪でⅡ型の酵素を持っているのが前頭部から頭頂部の毛根です。
後頭部から側頭部の毛根はⅡ型の酵素を持っていないのでDHTを作りません。
髪が薄く禿げている人でも側頭部や後頭部が禿げていない人はこのためです。
男性はみんなツトステロンを持っていますが、若いうちから薄毛になる方もいますが、逆に歳をとってフサフサと髪が生える方もいます。
この違いは5αリダクターゼの働き方と男性ホルモンの影響が異なるからです。
Ⅱ型の5αリダクターゼの働きが強いほどDHTは大量に作り出され、その作用を受けやすい体質の人は薄毛になりやすくなります。
遺伝と言われるのはこういった性質が親から子へと遺伝するからだと言われています。
女性の体内にも男性ホルモンが流れているので薄毛が進行する場合もある
前回の記事でも紹介しましたが、女性も男性ホルモンの影響によって薄毛になる可能性はあります。
しかし、女性の場合、頭皮は酵素の活性や分布が男性と異なり、生え際の後ろから頭頂部にかけての範囲でバラバラに脱毛が進行し生え際は脱毛しにくいのが特徴のようです。
「白髪の人は薄毛にならない」はウソ
よく白髪の人は薄毛にならないという話をよく聞きますが、これは間違いだと言われています。
白髪はメラノサイトと呼ばれる色素細胞の力がなくなってしまうことで起きる現象です。
原因は遺伝、加齢、生活環境、病気、ストレスなどの要素が考えられます。
この白髪と薄毛の原因は全くの別物となり、白髪の人も薄毛になる人はなるようです。
ただし、白髪の人の方が見た目で地肌とのコントラストが弱く、黒髮よりも目立ちにくいというのは当たっていますよね。
AGA以外の原因による脱毛
AGAのように男性ホルモンの影響以外で薄毛になる人もいます。
例えば円形脱毛症は、成長期根毛をTリンパ球が攻撃する「自己免疫説」が有力と言われています。
また、抗がん剤などの薬物による脱毛、感染症などが原因で脱毛することもあります。
しかし、これらは元の原因が改善すれば治る場合が多いので専門医による正しい診断をしてもらい、治療を受けてください。
特にかつら、ヘアピースをしている方は要注意。
使い続けると蒸れてカビに感染し、頭皮や毛根へと広がっていくと永久脱毛の原因に繋がります。
一生髪が生えないのでかつらやヘアピースはメンテナンスをしっかりしてください。
私はあまりお勧めはしません。
かつらについての記事はこちらから
育毛活動をしている方はしっかりとヘアサイクルのことと抜け毛になる原因を頭に入れて実践するようにしてくださいね!
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